幼児期の男性の陰茎は、亀頭がすっぽりと包皮に包まれた状態になっており、無理に包皮をめくろうとしても、むけません。これは、刺激に弱い亀頭を外部から守るための機能として、包皮と亀頭が付着した状態になっているためです。しかし、年齢を重ね、思春期に差し掛かると、陰茎自体の大きさが急成長します。陰茎の成長と違って包皮の発達はほとんど止まってしまうため、亀頭が包皮から突出する形になります。陰茎の成長速度には個人差がありますので、小学校高学年でこの状態に達している人もいれば、高校生でもまだ成長段階という人もいます。しかし、成人時にはほぼ陰茎の成長は完了します。
成人した時点で、勃起していない陰茎が包皮をかぶった状態になっていることを、包茎と呼びます。
軽度の包茎の場合、放置したからといって直ちに病気になるわけではありませんし、性交ができないわけでもありません。ただし、一般的な問題として、恥垢がたまりやすくなるということが挙げられます。恥垢とは、亀頭のくびれの部分に、尿のカス、精液残り、その他分泌液などが固まったもので、放置すると雑菌が繁殖し、さまざまな病気の原因となります。
具体的には、亀頭包皮炎、陰部ヘルペス、尖圭コンジロームなどを発症する可能性が高くなると言われています。包茎を持った人は陰茎癌を発症する確立が高いという説もあります。また、パートナーの女性の子宮内膜炎や子宮癌を誘発するとも言われています。
仮性包茎は、必ずしも手術が必要な状態ではありません。手術すべきかどうかという点については医師によっても意見の分かれるところですが、放置したからといって、直ちに病気にかかるわけでもなければ、性交ができないわけでもありません。
ただし、「包茎による問題」の項目で挙げたように、通常よりは病気にかかりやすくなる、早漏になりやすくなるといった傾向は否めませんので、これらを解決するためには、手術が必要となる場合があります。
カントン包茎は、一度包皮をめくると元に戻せなくなる症状です。包皮が元に戻らなくなったまま放置すると、包皮に圧迫された亀頭の血の巡りが悪くなり、大変危険です。その状態のまま勃起を起こすと、炎症などを起こす可能性がありますし、最悪の場合、血が通わなくなって壊死を起こすということも考えられます。正常な性交も困難となります。
このように、カントン包茎は危険性の高いものですので、手術によって包皮をカットし、亀頭を露出させることが必要となります。また、カントン包茎と思われる人は、無理に包皮をめくろうとしないことが大切です。
真性包茎とは、包皮の皮が狭く、亀頭を露出することが全くできない状態を指します。勃起時には包皮が引っ張られることにより、激しい痛みを伴うことがあります。 また、勃起時の痛みが少なかったとしても、亀頭の洗浄が不可能であるため、包皮の内側に恥垢や雑菌が蓄積されるのを防げません。これが原因で内部に炎症が起こるケースもあります。
こうした事情から、真性包茎もカントン包茎と同様、手術が必要となります。
包茎の手術は、概ね以下の手順に従って行なわれます。
・カウンセリング、カルテ作成
・陰茎の診断による、包茎の種類や程度の観察
・一部剃毛(陰毛を全て剃るというのは誤解です)
・患部の消毒
・カットラインの決定、専用のペンによるラインの記入
・局部麻酔(カットする包皮に沿って全体に注射する。さほど痛みはない)
・カッティング
・止血・縫合
医師によって違いはありますが、概ね30分あれば手術は完了します。